自宅等で年齢や病気、怪我等で、それまでの日常生活が出来なくなった利用者は、どのような支援が必要とされているかAAL利用の可能性についての話の進め方を考える。(現地主義、利用者主体の原則)

需要調査(マーケッティング・リサーチ)

上記のような施策を行おうとしている自治体(市町村など)に、AALの利便性をプレゼン出来る資料を作成し、ホームページに掲載する事や、省庁、市町村が進めようとしているこのン関連分野のプロジェクトの有無を調査し、可能なものがあれば応募する。

事業受理相談(インテーク)

市町村や利用者が行いたい支援にAALを採用することで可能どうかをまず、話し合う。

  • 行政のこの分野の施策方針、実行計画等について拝聴する。
  • AALの概要とメリット等の説明したのちに、この市町村の利用者への施策方針、実行計画等に対応するAALの利用可能性について、その場で可能な説明を行う。
  • 合意が出来れば、次に進む。あるいは、その時点で合意に至らない場合い、お互いが更なる話し合いが必要と成ったときには、その日の話し合いで問題となったことへの解決策を検討して資料を作成し、後日再度の話合の場を設定していただく。もし、どうしてもAALでは実現不可能な場合でも、可能な事業者等を紹介するなどして、市町村の窓口との連絡をキープする。

事前調査(アセスメント)

合意に至った場合には、実施にあたって利用者、行政、医療・福祉機関、連企業等との協働をどのように取り組むか(事業予算、事業の範囲・規模・期間、全体・個別会議の方法、利用者の問題解決の為の本人との話し合い、家族と生活環境等のアセスメント、利用者への補助、利用者、協働事業者への事業説明会等の方法などの案を作成する。

注意: 本人の要望をそのまま支援するという事ではなく、何が本質的に必要な支援なのかを見極める事も重要である。

支援事業計画(プランニング)

アセスメントに基づき、利用者の自立に必要な支援方法、市町村のこの分野の施策方針、実行計画、予算、実行規模等を参考にAALでの支援計画案を作成する。実際に毎日AALシステム・機器を利用するのは、利用者であることから必ず、利用者と一緒に計画を立てる事が、後々の実施を容易にする。

この場合、短期的目標と長期的目標を作ることが望ましいが、利用者がAALシステムの利用に慣れるのに時間がかかる事や、加齢や怪我、病気、利用者を取り巻く人的、環境変化などで、利用者が機器の利用が困難になる場合などを想定し、可能な範囲で柔軟に対応する事も配慮しておくことが望ましい。

また、社会資源(役所の人的、資金等の補助制度、近所の人々、メンテナンス等に関わる事業者、医療関係者、社会福祉関係者等)を有効に利用する事も計 画に入れておくことが望ましい。

支援の実施(インターべンション)

自宅等で年齢や病気、怪我等で、それまでの日常生活が出来なくなった利用者が困難となっていた課題を利用者の意向に沿った方法でIT機器で支援する事をはじめる。利用を始める前に次の点に注意すること。

支援する場合の注意点
AALに使用する機器は、利用する目的に合致したもので、全ての機能が安定であることが確認されていること。また、利用者が身につけるものは負担にならない安全で使い易いもので有る事。更に充電の必要なものは、その回数の少なくて済む低消費電力のものが好ましく、その機能に見合う価格等で有る事なども配慮すること (医療・福祉機器と認定されているものは、補助金がある)
利用者が安心してAAL機器を利用できる体制つくり。

例) 地域の行政による利用者のモニタリングと地域の業者機器のメンテナンス研修と依頼と及び、それらの利用状況から定期的に関係者との会議を開き、改善すべき点等の討議を行う。

この段階で事前に配慮すべきこと
  • 利用者の家の中に機器の設置と利用期間等は、事前に本人、家族若しくは、後見人の許可を取り交す。その他、この計画に於いて行政に関わる書類の作成は、本人、家族等に作成の支援をする必要があるかもしれない。
  • その利用者の個性に合わせた機器の選択(取扱いの容易さ、装具のしやすさなど)
  • 利用者に機器利用の目的を認識してもらう
  • 室内に機器を設置する場合には、機器の機能特性と利用者の意見を調整する
  • システム・機器の利用方法を利用者、メンテナンス企業等に教える。故障の場合の連絡方法、充電が必要な機器の取扱い等
  • 実施にあたっての設置費用、利用経費等の行政等から補助制度の把握(システム利用の電気料金、インターネット使用料などの経費負担は、行政と調整する)
  • 機器利用による損傷等の対応で保険等の配慮も必要な場合もある。
  • 機器の故障時、及び停電等に於けるデータバックアップ、生命にかかわる機器の電源バックアップ、緊急時の連絡方法についてもあらかじめ対応を検討する。

経過観察(モニタリング)

利用者の計画通りのAALシステムの利用が出来ているかを、あらかじめ作成した評価リストで確認し、利用者本人と関係者とで定期的に評価会議を開催し、問題点が無いか、或いは改善すべきところが無いかの話し合いを行う。問題が無ければ、そのまま継続するが、もし期待される効果が無い場合には、アセスメントの段階ら遡及しなければならない場合もある。