月刊自動認識10月号(第29回)の概要
はしめに
「Perfect care」と言う映画を見た。医師と後見人の悪巧みにより、お金持ちで孤独な老人を狙って、その老人の全財産をまきあげると言う介護福祉の暗部を抉り出したストーリーである。読者の皆様にも、是非見てほしい映画である。
さて、今回は、筆者の18日間の入院生活で、これはIT化して欲しいと思った事を提案している。
1.点滴の針を射つ静脈の可視化
筆者は、その日の担当の様々な看護師に10箇所ほど点滴の針を静脈に刺すことを試みられたが、半数は失敗に終わり、看護師からお詫びの言葉を頂いた。なんとか、失敗しない様な補助機器が無いかと提案している。
2. 点滴の終了と点滴が落ちないときのアラームを出す軽量なセンサーが欲しい
点滴が終わる度にナースコールをしていた。その様な機器は、あるかも知れないが、現在でも殆どが単に流量調節がついた吊り下げ方式である。なんとかそれに簡単に取り付けられるアラームセンサーが出来ないかと提案している。
3. 医療機器の小型化とデータの記録
膀胱内の尿量を超音波で計測する機器は、高価である。機能をシンプルにして、スマホのアプリで利用する、安価な機器の開発を提案している。筆者は、10万円位の普及タイプの機器を購入した。機能はシンプルで、筆者の提案に近いものであった。付属のスマホのアプリで、最初に測った尿量と残尿を測り、スマホにそれぞれの値と排尿量を記録する機能があった。筆者は、膀胱の他に、大きな憩室(膀胱内腔粘膜が膀胱壁の筋層を脱出し膀胱壁外へ部分的に突出した状態)がある為に、計測が難しい事から、計量コップで測った。憩室も考慮して、正確な計測ができる様なアプリのアップデートが出来ると良いと思った。
4. 尿量測定装置
前立腺肥大などの早期発見に繋がる為にトイレに設置し、尿の排出量を時系列に記録してグラフ化する装置である。これもAIが監視して、異常があれば、アラームを出してくれると良いと思う。
5.薬の管理
以前、この連載で述べた、カメラ付きAI薬箱の提案を述べている。
ETA・AALのユースケース(25)病院におけるIT機器の活用
筆者の今回の入院で、IT機器の活用があれば、患者に医療関係者が良い治療が行えて、かつ負担も低減するのではないかと言う期待を込めたユースケースである。特にコンテナフォーマットにより、病院や自宅での共通のIT機器の利活用に貢献することを述べている。
おわりに
臨床工学技士が、これからの病院のIT機器の利活用に関わる働きに期待されることを述べている。また、最後に筆者のナースコールに対する改善案が提示されている。