月刊自動認識2024年6月号(第37回)の概要

はじめに

これまでに筆者が何故この分野に飛び込んだか断片的に話してきたが、まとめてお話しする。また、この分野に必要な国際、国内規格など基本的な事が決まるまでは、関係機関、企業との協働が、大変有効で、その後の社会的な普及活動でも大変やり易くなる事を、筆者の関わったICカードの普及例を示し、説明している。筆者の会社勤めの後半にICカードが上手く利用出来ない方々、高齢者、視聴覚障害などの方がおられる事を知り、何とか利用出来る方法がないかを探ることになった。

<どうすれば、彼らがカードを利用可能になれるのか>

最初に視覚障がい者がカードが自分ものかや、カードを読取機に差し込む方向がわかる様にとカードのおもての右下に、点字3文字でマークを作るという、国際・(国内)規格ISO/IEC 7811-9(JIS X 6302-9): Tactile Identifier Mark(TIM) (触ってカードを区別するためり凸記号)の制定を行った。

次に作成したのが「ISO/IEC 12905(JIS X6905):Enhanced Terminal Accesibility(ETA) 機器利用時の支援」である。

これらの規格の普及を考えると、現代の社会状況を反映する用語の意味を考えてみたい。
 最後にMカードを視覚障がい者が利用する場合の将来の姿のユースケースを考えてみた。

<ネガティブ・ケイパビリティ>

 ネガティブ・ケイパビリティ(英語: Negative capability: 消極的受容力)とは、「答えのない事態に耐える力」で、悩める現代人に最も必要と考えるのは「共感する」ことであり、「この共感が成熟する過程で伴走し、容易に答えの出ない事態に耐えうる能力がネガティブケイパビリティと言う。

<VUCA(ブーカ)て何?>

 IT等革新的な技術により、業種間の壁がなくなり、異業種の参入などでビジネスが複雑化してきたことや曖昧性/前例のない出来事が増えて、過去の解決方法が通用しないと言う英単語の頭文字をとった造語である。

<Mカードのユースケース(3) 視覚障がい者のMカードの保険証利用>

 視覚障がい者の「こうじ」が風邪気味で病院に行き、Mカードの保険証アプリを利用できた、と言う筋書きである。

おわりに

 駅そばの自動チケット販売機など、できれば視覚障がい者等に分かり易いICカード読取器の位置を標準化してほしいと思った。

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